2016年3月の読書記録:その1
大塚英志関係の再読月間でした。
「もどき開口 木島日記完結編」を読み始めました。木島と春洋、折口の幻覚、そして巫女:美蘭の交わりを経て「隠り世」と「現し世」が近づいていく。
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大塚英志氏の文章の特徴として、通して読んだら分かるけど切れ切れで読むとその言葉の陰影、退廃した様、舌ざわりしか残らないという奇妙な現象がある。例えば、Vol.26の冒頭における「もどきの開口ということばがございます。」に始まり「~あってはならない物語をば。」に終わる一頁程度の文章は、口にして読めば読むほどにくらくらとする。しかしながら、Vol.26だけを読んでみればそれほど大層な話の進展はないことが見て取れる。Vol.30まで読んで「ははぁ」という”感じ”に到達する。
しかし今度こそ終わってくれよ。もやもやが止まらない。
持っている書籍類を整理していたら発掘したので再読。「天地に宣る」が全然理解できていなかったことが発覚し茫然とする。
漫画版を再読するにあたり小説版も購入しました。絶版みたいなので中古で。コレクションとして新書版も買いました。「乞丐相」に関しては文庫版だと巻末のキャラクター紹介のイラストが省略されているので、森美夏ファンは新書版を買うのをおススメします。読み直すと、漫画版よりも美蘭がえろく、木島が男らしく、土玉は常識人で、折口が女々しいです。一ツ橋が若干やなやつかもしれません。根津が滅多にしゃべりません。ただの殺す機械です。
そういえば「若水の話」で、漫画版では折口の同性愛嗜好について木島が「愛の形は多様ですよ」と言っていて「(恋人の死肉を顔に張り付けた)お前がいうかい」という想いだったんですが、小説版では土玉がそれを言っていて実に納得感がありました。そういう差を感じれたのはよかったです。
「偽史3部作」の3作目。実に面白い。主人公がラフカディオ・ハーンのせいか物凄く親しみがもてる。木島平八郎と兵頭北神の奇人変人さを100とすると10くらいのものである。物語も他2作に比べ話が単純明快というのも相まってひたすら読んでいる。伊勢神宮に参られる方・参られた方は「人体発火」の話だけでも読んでみて頂きたい。
あと「北神伝綺」を積んでるんですが全く理解ができないのでしばらく置いておきます。「とでんか」も一通り読みましたがこれも上手くまとめられないのでまた次回。